April 28, 2016

関西 Debian 勉強会行ってきた

2016年 4月 24日の関西 Debian 勉強会に行ってきた。

まだ東京で働いていた頃に仲の良い同僚に誘われたのがきっかけで、東京エリアでは何回か参加した事があるが、関西は初めて。 去年から色々とあって(本当に色々とあって)1 年以上参加していなかったので久しぶり感もある。

俺は結構 Debian のお世話になっていると思う。 勉強会に頻繁に出ているし普段から使っているし。 ちなみに、この blog も Debian で動いている。 ただ、その割に Debian 自体にあまり貢献して来なかった。 発表は 1 回しかしていないし、debも作れない。 東京では友達や DD (Debian Developer) の人に色々と教わったのだけど。 (申し訳ございません。)

ただ、お世話になりっぱなしも悪いので宣伝を兼ねて Debian 勉強会の紹介。 その前に、Debian について簡単な紹介。

よく「Debian は Linux ディストリビューションの一つ」と考えている人がいるけれど、正確では無いと思う。

Debian は Free な Universal OS だ。

「Free」とは「無料」じゃなくて「自由」と考えた方が良いだろう。 関連する物全てが GPL とは行かないが、ライセンスには結構こだわっている。 開発は DD (Debian Developper) を中心としたコミュニティ主導で行われており、その代表も定期的に選挙で選んでいる。 非常に民主的なシステムだ。

「Universal OS」とは「色々な環境で動く OS」という意味。 x86 や AMD64 の CPU はもちろん、ARM など出来るだけ多くの環境で動く事を目指している。

Free な Universal OS を作るための方法として現在は Linux を採用しているが、特に Debian として Linux にこだわりは無い。 現にちょっと前は BSD ベースの Debian (kFreeBSD) を Linux と並行サポートしていた事もあった。 Debian コミュニティの本音としては Linux だけに頼るのは宜しくないと考えているようだが、残念な事に工数の問題で 2016 年 4 月現在では Debian と言えば Linux のみである。

ところで Debian コミュニティの理想はよいとして、ユーザーから見て Debian はどういったディストリビューションだろう?

細かい特徴は色々とあるが、個人的には安定したパッケージが大量に存在する事が一番大きな特徴だと思う。 少なくとも RedHat の提供する rpm より Debian の deb の方が数は多いし、安定していると感じる。 もっとも「安定」については簡単に数値化できないので少し恣意的かもしれない。

また、少し Debian に入り込んでくると、今度は Debian ポリシーという物に遭遇する。 Debian の最も凄い所はこの Debian ポリシーだという人もいる。 俺もまだ勉強しだした所なので詳細には書けないが、Serverspec なんて比じゃないレベルの自動テストや並みの agile 顔負けのマネージメントの粋が詰まっている。 世界中に散らばったボランティアの DD 達がどうやって協調作業できるのか、その答えがこれだ。

では、簡単な紹介が終わったところで Debian 勉強会の紹介にうつる。

まず、少し残念な事だが Debian 勉強会は一般の IT 系の勉強会と比べて参加者の人数が少ないように思う。 東京エリア、関西ともに参加者は 10 名足らず。 ただ、参加者目線ではこれは悪い事ばかりでは無い。 例えば、勉強会に参加している凄い人との距離が近くなる。 (Debian 勉強会に限らず、大抵の勉強会には凄い人が何人かいる物だ) それに、「発言の順番待ち」みたいな事も無い。

また、一般の勉強会に比べて色々とカジュアルだ。 普段「怠惰は美徳」と言っているエンジニアも何故か勉強会となると本質と外れた部分で必要以上にクオリティを高めてしまう物だが、Debian 勉強会はそんな事が無い。 発表する方も参加する方も肩の力を抜いて参加できる。 (もちろん、発表する際は最低限の準備は必要だし、幹事の方は色々と準備していると思います。比較の問題です。)

その代わり、ミーティングの場のディスカッションなどが濃い。 ちゃんと聞いて質問や意見をしてくれる人がいる。 あなた自身も質問十分質問できるし、脇で聞いているだけでも勉強になる。 ただ、議題に上がる事の大体は初歩的な質問から専門的な質問まで誰か答えられる人がいると思うので、せっかくならば聞いてみると良いだろう。

最後に、いろんな分野のエンジニアが集まってくる。 普通、勉強会には同じ業界の人ばかり集まってしまう物だが、Debian 勉強会はそうではない。 俺は Web 系の人間だけど、組み込み系の人や計算屋さんも来る。

ちなみに、今回の発表は計算屋さんが流体力学の計算方法とそのデモをしてくれた。 そのせいか勉強会終了後の打ち上げが面白い。 普段聞けないような話が色々と出てくる。

そんな訳で、少しでも興味を持った方はぜひ Debian 勉強会に参加してみてください。

あと、関西 Debian 勉強会に参加する人は自分で Wifi の準備をしておくと良いだろう。 俺は携帯を換えたばかりなのでテザリングの方法がわからず、ネットが使えず涙した。 現在は不明だが、1 年前の東京エリア Debian 勉強会の場合、会場の Wifi を使用できた。

俺は、会社で Ubuntu を使うことになりそうなので今度こそは真面目に Debian を勉強するつもり。 (ご存知の方も多いと思うが、Ubuntu は Debian ベースだ。) なので、しばらくは勉強会に真面目に出るつもり。

暗号通貨の開発をやっている人はなぜか Ubuntu ユーザーが多いので、それ以外を使うと面倒な事が多いのよね。 ってな訳で、最低でもオレオレ deb は作成できないと行けないし、いっそのこと Debian ポリシーに則った作り方もできるようになりたい。

Debian の基礎知識を教えてくれて、さらに勉強会に誘ってくれた友人に感謝しつつ Debian 勉強会の勧めでした。